2021(令和3)年3月30日、福山市長枝廣直幹氏とJR西日本の岡山支社長平島道孝氏が、2019(令和元)年7月8日の「協定書」を廃止するとの合意書を交わした。
新型コロナウィルスの影響が長期に及び、終息の見通しが不透明であるからという理由である。決して、福山駅北口広場が、福山市民の生活上必要であることに、福山市長枝廣直幹氏が気付き、自らの政策(愚策?)を反省し撤回するという理由ではない。ということは、コロナ禍が終息すれば、そして、JR西日本が改めて土地交換の申し入れをすれば、福山市長枝廣直幹氏が、再び、その申出に応じる可能性はまだ残っていると言わざるを得ない。事実、新聞報道によれば、福山市は、駅北口の在り方について、「JR西などと駅前広場の再整備を進める中で検討する。」とコメントしている。
ただ、住民訴訟は、目的(訴訟の対象)を失った。地方自治法と福山市条例に鑑み、違法、無効であるとする「協定書」が存在しなくなったからである。原告らは、やむを得ず2021(令和3)年4月14日、訴えの取下書を提出した。同月20日、被告(福山市長枝廣直幹)から取下に同意する書面が提出され、訴訟は終結した。
運動の本懐を遂げたわけではないが、結果的に、当面、福山市民の財産である福山駅北口広場は、JR西日本の食指から守られた。石垣と樹々の緑を含む福山城の景観も守られた。福山市民の、否、福山市民ならずとも福山駅北口に降り立ち界隈をそぞろ歩く人達みんなの、憩いと安らぎの空間、生活の空間、心地よく吹き抜けるそよ風のもたらす人間が人間らしく生活できる文化的な空間は、当分の間ではあるが、守られそうである。
しかし、油断してはならない。福山市長枝廣直幹氏は、訴訟の中で、原告らが申し出た「『(自らの)任期中、議会の決議なく、専決処分で、南北土地交換はしない。』という意思表示をすれば住民訴訟は取り下げる。」という和解提案を蹴った。自らの思惑が、強引で独りよがりで、市民のためになるものではなかったと反省してはいない。枝廣直幹氏が福山市長である限り、福山駅北口広場を守る会は、解散できない。とはいえ、再招集を必要とする事態にならないことを祈りたい。1万5000人余の署名を頂いた方々と共に。
2021(令和3)年5月5日
福山駅北口広場を守る会共同代表 川﨑保孝
補遺 引き続き、ホームページは公開し、ネット署名募集も続けます。
時折、ブログも更新します。
多くの方々から、いろいろなご意見をいただければ嬉しく思います。
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